アレモ コレモ ヨミタイ

読んだ本のことを書いたり書かなかったり

21世紀落語史 : すべては志ん朝の死から始まった / 広瀬和生

著者の同タイトルの文章をWeb連載の頃から読んでいて、たしか連載当初より出版される予定ということだったと思う。早く続きが読みたい!と思いながら過ごしていたことを思い出す。こうして一冊にまとまっているものを読むと、全体の意義のようなものがやっと…

教養として学んでおきたい落語 / 堀井憲一郎

前回記事を書いたのが、一体いつだったのか思い出せないくらい時間(とき)が経ってしまった。久しぶりに、ごく短期間の間に勢いで書かれたような本に出会って、心が動いたので記しておこうという次第。 そもそも落語って教養として学ぶようなもんなのかなぁ、…

サピエンス全史 : 文明の構造と人類の幸福 / ユヴァル・ノア・ハラリ ; 柴田裕之訳

いろんなところで、いろんな人が面白いと言っていたので読んでみた。内容について真面目に書くと、未読の人はおそらく、すごいつまんない本っぽいじゃん、と思うだろうからどうしようかと思ったが、面白そうに書けるようにがんばってみたいと思う。 今回はア…

知性は死なない : 平成の鬱をこえて / 輿那覇潤

この記事を書いている今、上野では東京都美術館でムンク、国立西洋美術館でルーベンス、上野の森美術館ではフェルメール、とならべてみると、偶然ではあろうが、まるで気でも狂ったかのような、とんでもないビッグネームのならぶ美術展が同時に開催される事…

知的生産の技術 / 梅棹忠夫

この本はデジタルアーカイブの講習会に参加した際に、参考資料として紹介されていた。なんだかタイトルにものすごく見憶えがあるな〜家にあったかも、と思って書棚を見てみたがみあたらなかった。長い間読み継がれている名著なので、持っているような気にな…

満州暴走隠された構造 : 大豆・満鉄・総力戦 / 安冨歩

以前上司だった女性から、「あなたのその自信なさげなところだけが心配。つけこんでくる人は必ずいるからね。」と言われたことがあった。当時は何のことだかまったくわからなかったのだが、あれから15年近くを経る間に起こった、人間関係における不愉快な出…

サリン : それぞれの証 / 木村晋介

2018年7月6日、オウム真理教の教祖であった麻原彰晃こと松本智津夫ら7人の死刑が執行され、残る6人は2018年7月26日に死刑執行された。13人の死者、6,300人の負傷者を出し、未だに後遺症に苦しむ人もいる大惨事であり、また松本サリン事件とそれ以前の3件のサ…

経済学の船出 : 創発の海へ / 安冨歩

Twitterをみていたら阪急電車の中でベルカント唱法と思しき歌い方でめっちゃ歌ってる女性の後ろ姿を動画でアップロードしている人がいて、思わず2度見してしまったのだが、歌ってる後ろで動画を撮っている人なのだろうか、笑いながら「うるさい」っていって…

輿論と世論 : 日本的民意の系譜学 / 佐藤卓己

2018年6月25日の日本経済新聞朝刊の1面記事で「内閣支持10ポイント上昇」とあり、安倍内閣の支持率は52%ということになっているが、毎日新聞では5ポイント増の36%となっている。あまりにも開きがありすぎるので、もう少し見てみることに。日経の調査*1は、…

ヒトは「いじめ」をやめられない / 中野信子

いじめの起こるメカニズム、さらにいじめの起こる背景、そして回避策までを、主として脳の働きという視点から解説している。我々はふだん感情的な視点からのみで物事を捉えて、事象そのものを考慮することを忘れてしまいがちだが、むしろ感情をコントロール…

存在の耐えられない軽さ / ミラン・クンデラ著 ; 千野栄一訳

最近聴いているポッドキャスト番組「読書のちょめちょめ」のパーソナリティー「お兄さん」に影響されて、本とはなるべく関係のないことを書く、という前提からは外れて、本の紹介に挑んでみようと思う。 原著は1984年刊、今回読んだ文庫版の奥付にある刊年は…

西洋音楽史 : 「クラシック」の黄昏 / 岡田暁生著

やっと春っぽくなってきた。 あいかわらず花粉症がひどい。 しもやけもひどい。 靴擦れが化膿して、もう2週間なるけど、 なんかまだちょっと痛いな、という感じ。 ちょっとした傷が、こんなんなるなんて、もう歳かな、 なんて思って、それを外科医に言った…

人はこうして「食べる」を学ぶ / ビー・ウィルソン

すっかり夏です。 農協の直売所へ行ったら、ししとうにピーマン、ナスにトマト、そして青唐辛子、果物は桃がたくさん出ています。枝付きの枝豆なども山盛りで、イヤホント夏だなーってかんじ。辛いもの好きなダンナさんリクエストにより、葉付きの唐辛子を購…

パーマネント神喜劇 / 万城目学

著者のツイッターで話題となった「パクリ」騒動について書こうとしていたのだが、きちんと説明しようとすると、いろいろ調べないといけないなぁと思って、調べつつ書いていたのだが、出かける時間になってしまったので、下書き保存して出かけたつもりが、あ…

高校図書館 : 生徒がつくる、司書がはぐくむ / 成田康子

最近、とある新聞を読んでいて「?」となることが、しばしばある。 なんで今更?みたいな。 今日、そんなん最初っからわかってたやん、みたいな内容のことを1面に書いてあったりしたもので、奇妙だな、と感じまして。 何か参考にしてるメディアがあって、そ…

絶叫委員会 / 穂村弘

前回の更新から、また1年近くが過ぎてしまいました… ブログに移行して初の記事となります。 今年の4月より、無職でニート…いえ、学業専念ということで、 日々勉学に励んでおります、と胸をはって言える状態ではないんですが。 この年齢で、よく思い切った…

【お知らせ】ダイアリーからブログへ

はてなダイアリーで更新してきたブログですが、 はてなブログへ引っ越しました。 すこしタイトルを変えました。 更新頻度はあまり上がらないかもしれませんが、 ほそぼそと続けていけたら、と思っています。 これからも、どうぞよろしくお願いします。 (もし…

ロマンシエ / 原田マハ

ダイアリーなのに全然ダイアリーになってないことに、 いまごろ気がつきました。 ここがダイアリーだってことに、さっき気がついたのです。(本当) これからも、ダイアリーにはなりませんがな、たぶん。(更新頻度の面からは絶望的)ということなので、本日…

銃・病原菌・鉄 / ジャレド・ダイアモンド

ブームはとうに過ぎた感がありますが、文庫化されたのを機に。反アングロ・サクソン文化、みたいな感じなのかと想像していましたが、実に様々な要因が作用しあって、現在の世界がある、というようなことなのかと思いました。ここ10年くらいの、個人的な思想…

パンの文化史 / 舟田詠子

我が家にはテレビがないので、よくラジオをきいている。よく聞く番組で「パンをじっくりかみしめる」というテーマの日に、著者が出演され、この本が取り上げられていた。番組の司会からの注や参考文献の充実ぶりに対しての発言をうけて、学問というものは、…

生物と無生物のあいだ / 福岡伸一

前回の記事から、半年近く経ってしまった…夏にはしぼんでいたカラダが、正月すぎた今、かなりふくらんでいて、ちょっと重い。また少ししぼませようと思うが、あんまりしぼむと、シワシワ・カサカサ的になるので、ちょうどいいところを見つけないといけない。…

おひとりさまの老後 / 上野千鶴子

7月のはじめくらいに、階段から落ちて、尻を強打。なんでもないフリを装ってみたが、翌日の夕方くらいには「もう歩けません…」とくじけてしまう始末。みるみる回復して、1週間後にはフツーに歩いてましたが。そして、昨日なんかの拍子に、左の肩甲骨のあた…

船に乗れ! / 藤谷治

文庫版で読みました。全3巻。第1巻:合奏と協奏第2巻:合奏協奏曲第3巻:独奏と、各巻タイトルをみると、音楽のハナシだな、という感じです。2008-2009年刊ですが、現在もけっこう人気があるようで。2010年の本屋大賞で第7位だったのですね。第2巻を読…

若者はなぜ「就職」できなくなったのか? : 生き抜くために知っておくべきこと / 児美川孝一郎

ウチはインターネットとかは、よくわからないのでダンナさまにすべておまかせ状態だった。しかし、数日前に、なんか光回線のヤツにすることにした、というので、私は、「なんで?いまので困ってないのに、なんでわざわざ料金高くするの?」と聞いたのだが、…

増量・誰も知らない名言集 / リリー・フランキー

リリーさんです。つい先日2本の映画をみました。たてつづけに。ハシゴです。贅沢です。なにをみたかというとそれは、「僕たちは世界を変えることができない」と、「モテキ」です。「モテキ」にリリーさんが出演しているのは知っていたのですが、「僕たちは〜…

男性不信 / 池松江美

電子書籍です。初体験です。iPhoneアプリで、この書籍そのものが、ひとつのアプリとして売られていました。他のスマートフォンではどうなっているのでしょうか、ちょっと調べていませんけれども、これは、ちょっとヤバいですね。手軽にバシバシ購入してしま…

友達がいないということ / 小谷野敦

友達、いません。いるのかもしれないけど、でもやっぱり、いません。だいたい、友達ってなんだろう。一回会ったら、友達なのかもしれないし、やはり、そうではなくて、なにかの基準があって、それを満たすのが、友達、ということになるのかもしれない。とい…

中学生からの愛の授業 / 宮台真司

なんかこの本、全体的にちがうとおもう。このところ、フェミに興味を持って、それつながりで、宮台さんにも興味を持ったので、批判的な感想を抱くであろうことは、ある程度予想していたのですが…なんか、結局勝ってるヤツの戯れ言、みたいに、どうしても感じ…

前略、離婚を決めました / 綾屋紗月

著者について少し知っていたので、なんとなーくそういう目で、そういう話なんだろうなぁ、と思いつつ読んだら、全然そういう話ではなかった。どういうことかというと、著者は、「発達障害」という病(?という理解でいいんだろうか)をかかえており、「発達障害…

ホーキング、宇宙と人間を語る / スティーヴン・ホーキング, レナード・ムロディナウ

あこがれのホーキング博士。なんだかよくわからないけど、小2か小3か、小4くらい(あいまいやな)の頃から、「車椅子の天才!」とか言われているホーキング博士は、ココロのなかのスーパースターでした。しかし、物理学に関する知識もほとんどなく、宇宙とか、…