アレモ コレモ ヨミタイ

読んだ本のことを書いたり書かなかったり

2018-01-01から1年間の記事一覧

知性は死なない : 平成の鬱をこえて / 輿那覇潤

この記事を書いている今、上野では東京都美術館でムンク、国立西洋美術館でルーベンス、上野の森美術館ではフェルメール、とならべてみると、偶然ではあろうが、まるで気でも狂ったかのような、とんでもないビッグネームのならぶ美術展が同時に開催される事…

知的生産の技術 / 梅棹忠夫

この本はデジタルアーカイブの講習会に参加した際に、参考資料として紹介されていた。なんだかタイトルにものすごく見憶えがあるな〜家にあったかも、と思って書棚を見てみたがみあたらなかった。長い間読み継がれている名著なので、持っているような気にな…

満州暴走隠された構造 : 大豆・満鉄・総力戦 / 安冨歩

以前上司だった女性から、「あなたのその自信なさげなところだけが心配。つけこんでくる人は必ずいるからね。」と言われたことがあった。当時は何のことだかまったくわからなかったのだが、あれから15年近くを経る間に起こった、人間関係における不愉快な出…

サリン : それぞれの証 / 木村晋介

2018年7月6日、オウム真理教の教祖であった麻原彰晃こと松本智津夫ら7人の死刑が執行され、残る6人は2018年7月26日に死刑執行された。13人の死者、6,300人の負傷者を出し、未だに後遺症に苦しむ人もいる大惨事であり、また松本サリン事件とそれ以前の3件のサ…

経済学の船出 : 創発の海へ / 安冨歩

Twitterをみていたら阪急電車の中でベルカント唱法と思しき歌い方でめっちゃ歌ってる女性の後ろ姿を動画でアップロードしている人がいて、思わず2度見してしまったのだが、歌ってる後ろで動画を撮っている人なのだろうか、笑いながら「うるさい」っていって…

輿論と世論 : 日本的民意の系譜学 / 佐藤卓己

2018年6月25日の日本経済新聞朝刊の1面記事で「内閣支持10ポイント上昇」とあり、安倍内閣の支持率は52%ということになっているが、毎日新聞では5ポイント増の36%となっている。あまりにも開きがありすぎるので、もう少し見てみることに。日経の調査*1は、…

ヒトは「いじめ」をやめられない / 中野信子

いじめの起こるメカニズム、さらにいじめの起こる背景、そして回避策までを、主として脳の働きという視点から解説している。我々はふだん感情的な視点からのみで物事を捉えて、事象そのものを考慮することを忘れてしまいがちだが、むしろ感情をコントロール…

存在の耐えられない軽さ / ミラン・クンデラ著 ; 千野栄一訳

最近聴いているポッドキャスト番組「読書のちょめちょめ」のパーソナリティー「お兄さん」に影響されて、本とはなるべく関係のないことを書く、という前提からは外れて、本の紹介に挑んでみようと思う。 原著は1984年刊、今回読んだ文庫版の奥付にある刊年は…

西洋音楽史 : 「クラシック」の黄昏 / 岡田暁生著

やっと春っぽくなってきた。 あいかわらず花粉症がひどい。 しもやけもひどい。 靴擦れが化膿して、もう2週間なるけど、 なんかまだちょっと痛いな、という感じ。 ちょっとした傷が、こんなんなるなんて、もう歳かな、 なんて思って、それを外科医に言った…