アレモ コレモ ヨミタイ

読んだ本のことを書いたり書かなかったり

シズコさん / 佐野洋子

まだ森見登美彦ぜんぶ書いてないですが…

母娘の葛藤、ということで紹介されていたので、
ずっと気になっていました。

読んでいる最中、
生きること・死ぬことを考えていました。
なんで生まれちゃったんだよう私。
死ななくちゃならないじゃないか。

でも、今自分がここに存在していることが、
当たり前だと思ってる。

いつか、癌とか患って、
呆けて死んでいくのかなぁ。
みんなに煙たがられてさ。

でも、生まれなければよかったとは、
思っていない。

読み終えて、
最近、機嫌の悪いぬか床をかきまわしながら、
死んでしまった従妹や、伯父のことを、
ふと考える。

なんで、もっと会いに行かなかったのだろう。
その気になれば、いくらだって行けたはずなのに。
そう思ったら涙が出てきた。

しかし、ふと気づく。
私は、そんな風に思っている、
自分に涙しているだけじゃんか。

佐野洋子さんは、
ご自分のことを「鬼畜生」だと書いておられたが、
私のほうが、よっぽど鬼畜生だ。

佐野洋子さんは、優しい方だと思う。