アレモ コレモ ヨミタイ

読んだ本のことを書いたり書かなかったり

銀色ナイフ / 銀色夏生

平積みにされていた。

ぐるっと店内を見回すと、

他にも読みたいものが数点。

この本をここで見過ごしたら、

もう二度と会わないかも知れない、

という気がして、

これを購入することに。

決して、売れなさそう、と思ったわけではないです。

なんとなく、この場を逃したら、後はないような気になったので。

そして、

読破できず、放棄することにした。

辛口エッセイで、傷つく人がいるかも知れない、

とのふれこみでしたが、

辛口だから、傷ついたから、

読めなくなったのではないのです。

この気持ちはなんなのだろう、

と考えていたら、

まだ働き始めてすぐの頃、

中学時代の友人が、

自分紹介的なホームページを公開していて、

それを見たときに感じた気持ちとよくにていることに、

気がつきました。

なんと表現すればいいのか。

そう、それは、

「なんかイタイ」

「辛口」というのと、「イタイ」というのは、

別だと思う。

著者が「キライ」

と述べている事象に関しては、

私も、はっきりイヤだと思うし、

そういう意味では共感している、

といえなくはないのかも知れないが、

著者の思考には、その先がないような気がする。

著者いわく、自分は「少数派」

だそうであるが、

むしろ、一般的な感覚を持っているなぁ、と感じた。

記述の中にも、

自分と同じ意見の人は、仲間うちにもたくさんいた、

というようなものが、いくつか見られる。

本当に少数派だと思ってんのか?と言いたくなってしまう。

大学生くらいの頃、著者の「ナルシスナルくん」

を手にして、なかなか好きだなぁ

と思っていたので、残念です。

著者に罪はないと思います。

ただ、これを本という形にする意味があったのか。

イヤなものから、目をそらさない、

という意味では、必要なのかもしれませんが。